エジプトの天気は、南北にいくつもの気候帯が並ぶ構成です。アレクサンドリアの地中海沿岸では年間約211ミリの雨が降り、その多くが11月から3月に集中します。海風が吹き、冬は涼しく湿度が高くなります。ナイル川流域は乾燥し暑く、その両端の砂漠はさらに乾燥しています。アスワンやアブシンベルに到達する頃には、年間降水量は2ミリ以下か皆無となり、夏の最高気温は40度を超えます。
このように、旅行の時期選びは日程や地域によって大きく異なります。紅海沿岸での滞在はどの月でも快適ですが、7月のルクソール滞在は体力を要します。1月のアレクサンドリアではコートや傘が必要なこともあり、他の地域はその時期に乾燥し穏やかな天候となっています。
冬と春
12月から2月が冬で、多くの旅行者がこの時期を選びます。ナイル川流域や紅海沿岸では日中は穏やか〜暖かくなり、地中海沿岸の都市では降雨も見られます。カイロは涼しく曇ることもあります。注意したいのは夜の寒さで、砂漠地帯や川沿いの町は日没後に冷え込み、暑さ対策の建物は保温性に劣ります。
春(3月から5月)はハムシンの季節です。熱く乾燥した砂嵐が砂漠から数日間続けて吹くことがあり、気温が上がり、砂や埃が舞い、時に空港閉鎖やボートツアーの中止もあります。一方、紅海の水はこの季節が最も澄みやすいため、ダイバーは風を視界の代償として受け入れています。
夏と秋
6月から8月の夏は、内陸部や南部では非常に暑くなり、アスワンでは平均最高気温が41度を超えます。沿岸部は単に暑い程度で収まることが多いです。生活のリズムも重要で、朝6時に遺跡、昼は長い休憩、夕方から再び外出・食事・移動が一般的です。
9月から11月の秋は、ひそかにおすすめの季節です。猛暑が和らぎ、海水もまだ暖かく、観光客も増えていません。11月には砂漠の夜もジャケットが必要なほど涼しくなります。日程に自由がありクリスマスなどにこだわりがなければ、この時期が良い選択肢です。
気温・湿度と実際の体感
エジプトの暑さがヨーロッパの夏と異なるのは2つの特徴があります。ひとつは乾燥で、ナイル川沿いや砂漠では汗がすぐ蒸発し、気付かぬうちに多くの水分を失い午後には脱水状態になることもあります。喉が渇く前に、必要と感じる以上に水分補給を心掛けてください。
もうひとつは日陰の少なさです。日向とわずかな距離の日陰だけで体感温度が15度も変わることがあります。暖かい時期の旅行では、正しい時間帯に日陰を活用するのがコツです。昼は回廊、午後はボート、夕暮れ時は屋上テラスなどを選ぶと快適に過ごせます。
乾燥についてもう一点知っておくと良いことがあります。それは危険が隠れやすいことです。例えばアスワンなどでは、汗がすぐ蒸発するため、暑さを感じる前に頭痛や体調不良となることがあります。予防策はシンプルで有効です。昼までに2リットルの水、帽子、塩分のある食事、日向で長時間遺跡を見るのは控えることが大切です。
持ち物と事前確認
2つの気候に対応する準備がおすすめです。日差し対策の長袖軽量服、風に飛ばされにくい帽子、砂塵が舞う日のための顔を覆うもの、冬の砂漠夜用のジャケットが役立ちます。沿岸部ではリーフセーフの日焼け止めや風避けの服があると便利です。
また、国全体の天気ではなく、ご自身が予約したスポットの天気予報を確認すると良いです。紅海沿岸では風の強さがボートツアーの可否を左右し、ハムシンの時期は砂漠観光の快適度が変わります。ルクソールの丘で単発の雷雨があれば王家の谷の排水溝も活躍します。エジプトの天気で旅そのものが台無しになることは少なく、予定を柔軟に変更する心持ちがあれば十分です。
まとめ:北沿岸部は地中海性気候で冬に雨、ナイル川流域や砂漠地帯は一年中暑く乾燥し冬の夜は冷え込みます。紅海沿岸はどの月でも快適です。旅行日程はカレンダーよりも目的地で決めると良いでしょう。