混乱されるのも当然です。以前はSIMカードが電話番号そのもので、新しいSIMに差し替えるのはまるで自分のIDを変えるような感覚でした。データ専用eSIMは番号が付与されないため、実は従来のSIMより影響は少なくなります。
アカウントとSIMカードを切り離して考えると、仕組みはとてもシンプルです。
WhatsAppは電話番号に紐づきます(SIMカードには紐づきません)
WhatsAppはアカウントを電話番号に登録し、最初にSMSで認証します。その後はアプリとWhatsApp自身のシステムで管理され、SIMカードの情報は再読込されません。データ通信の回線がどちらのSIMであっても気にしません。
そのため旅行用eSIMを利用しても何も変わりません。チャットも連絡先もグループも、そのまま。アプリはその時点でモバイルデータ通信を使える回線に切り替わり、旅行中はこれが旅行用プランとなります。
データ専用eSIMで得られること
多くの旅行用eSIMはデータ専用型で、番号も音声通話もSMSもついていません。受け取れるのは訪問先国内で使えるインターネット接続という仕組みだけで、追加の利用料金はありません。
WhatsAppの利用にはこれで十分です。WhatsAppはデータアプリなので、メッセージ・写真・音声メモ・通話などはすべてデータ回線でやりとりします。したがって番号がなくても海外からやりとりできます。
一方、何ができなくなるのかも明確にしておくのがおすすめです。現地の番号がないため、現地の人がご自身にローカル番号で電話することや、レストランやタクシー会社・ホテルなどが登録番号で連絡してくることはありません。実際には、発信側になるケースが圧倒的に多いため困ることは少なく、相手に伝える番号はWhatsAppプロフィールのものが使えます。
WhatsAppが実際に使うデータ量
多くの方が予想よりも少量のため、小容量プランでもまかなえることが多いです。
テキストメッセージはごくわずかで、1000通でも写真1枚より少ないレベルです。音声メモはやや多めですが、写真は数MB程度、動画はかなり大きくなります。WhatsApp音声通話も1分あたりの通信量はビデオ通話よりずっと少量で済みます。
データ節約で注意したいのは「送信側の習慣」です。高画質写真の送信やグループチャットでの動画一括受信などは、単なる閲覧や返信より多く使います。これらはスマホが自動でやってしまうため、容量が気になる場合はホテルのWiFiで写真のアップロードを済ませ、外出先で使うデータは必要最低限に抑えるのがおすすめです。
おすすめの3通りの使い方
最も簡単で多くの方が望まれるのは「自分の番号1つでWhatsAppを使い、旅行用eSIMでデータ通信のみ行う」方法です。新たな登録や設定も不要で、帰国後はeSIMを削除するだけで元通りです。
2つめは、通話やデータのために現地SIMを2枚目スロットに入れ、WhatsAppは変わらず自分の番号でやり取りする使い方です。現地での電話が必要な場合や、既存の連絡先とのやり取りをそのままで使い続けたい場合に向いています。
3つめは2つのWhatsAppアカウントを利用する方法で、1つはメイン番号、もう1つは現地番号や仕事用番号でWhatsApp Businessを利用するスタイルです。仕事用とプライベート用、あるいは帰国後も使う現地番号を分けて管理したい方におすすめです。
意外な落とし穴:認証コードの受信
認証用SMSについて。
ローミング料金を避けるためメインの回線をオフにすると、同時にSMS受信もできなくなります。ほとんどの場面では困りませんが、ごく一部、認証コードが必要な時や新しい端末でログインする場合には支障が出ます。
銀行決済やオンラインサービスのログインなどは、認証コードをSMSで送信します。もし自分の回線がオフなら、当然それは届きません。この対策はきわめて簡単です。認証用に自分の番号回線はオンにしておき、データ通信はeSIM側のみ使う設定にします。これでSMSや通話は普段通り、データ通信のみ旅行用、予想外のローミング課金も発生しません。
データ通信でのWhatsApp通話について
WhatsAppの音声通話は1分あたりわずかなデータで済み、ビデオ通話より通信量が少ないです。旅先でもデータ専用プランで十分利用できる理由です。もし通話を頻繁に利用される場合は、プラン選択時に考慮してください。データ消費量については必要なデータ量の目安で詳しく説明しています。
また、番号自体への着信が重要な方へ。旅行中に自分の回線を完全にオフにしても、WhatsAppのメッセージの送受信はeSIM経由で問題なく動作します。ただSMSは受信できなくなるため、認証コードが必要なサービスのみ利用に注意してください。