モロッコの支払いには2種類あります。金額が明記された「料金」と、はっきりとは書かれていない「少額の紙幣・硬貨」です。トラブルの多くは、この2つを区別しなかったときに起きがちですが、実際、ウエイターとの間ではあまり問題になることはありません。
チップ自体は簡単です。迷いやすいのは運賃や「無料」とされるオファーで、滞在中の出費を抑えるには、到着前に数字を知っておくのがおすすめです。

実際のルールは?
チップは本来任意であり、モロッコには義務となるパーセンテージも公表されていません。大半の旅行者が慣れる習慣は、南ヨーロッパでも広く見られる「カフェではお釣りの小銭を残し、タクシーは切り上げ、取引以上のサービスを受けた場合は紙幣を手渡す」というものです。
モロッコ独自の違いはその金額の小ささです。物価が安く、こうした金額でも十分なのです。例えば、タジンは25〜60ディルハム、クスクスも同額、ミントティーは6〜8、オレンジジュースは4、パン一個は2以下。これらと比べると10ディルハム札はランチの6分の1ほどで、失礼にはなりませんし、30ディルハムの食事に50ディルハムを支払うのは気前がいいというより勘違いと受け取られることもあります。
- タクシーメーターの初乗り(20時前)
- 1.70 dh
- 日中のタクシー最低料金
- 7 dh
- バス荷物のポーターへの目安
- 5 dh
- メディナ案内への最大額
- 20 dh
タクシー:出費の焦点はここです
ここはチップ以上に運賃設定が本題で、1度の乗車で数日分のチップが消えることもあります。町中のプチタクシーは、法律で必ずメーターを使うことになっています。初乗り運賃は20時前1.70ディルハム、20時以降2.40、最低運賃は日中7、夜は10です。メーターで10分乗れば20ディルハム前後、マラケシュ駅からメイン広場なら12〜13ディルハムです。
駅や空港、広場周辺にいる運転手はメーター利用を拒み、同じ距離で50〜70ディルハムを要求することもあります。マラケシュ空港では券売機で200ディルハムの定額チケットを売っていますが、200メートル離れた路上で流しを拾えば60、グランドタクシーでメディナへ向かっても150程度となります。乗り場から100メートル以上歩いてからタクシーを拾うのが節約のコツです。
メーター利用の場合は料金を切り上げるだけで十分です。例:13なら15にしてお釣りをそのまま運転手に手渡します。
誰に渡すか、義務はあるか
そのサービスは自分が頼んだもの、または頼まずに来たものですか?
事前に金額を合意していますか?
請求書や申し出がありましたか?
合意通り+切り上げ分を支払う
バス荷物室への運搬、ハマムのスクラブ、メーターを使ったタクシー、メディナ案内などは事前に金額が決まっています。合意した額と手持ちの小銭を渡します。荷物には5ディルハム、案内には20ディルハム程度です。
少額でもやはり渡しておく
自分のお願いでサービスを受け、具体的な請求がなかった場合は5または10ディルハム程度が一般的です。テーブルに置くより、相手に手渡して人数と金額をはっきり伝えましょう。
会計内容をよく確認
これは屋台やヘナタトゥーなど想定外の請求があるパターン。頼んだ覚えのない料理が5ディルハムずつ加算されたり、無料と告げられたデザインが地元の10倍請求されたりします。注文内容だけ支払い、不要な分は返しましょう。
何も渡さなくて良い(丁寧に断るだけで十分)
道が閉まっていると声をかけてきたり、職人の来る頻度を教えてくる人、付きまといガイドなどはサービスではありません。「ラ・ショクラン(不要です)」と一言伝え、そのまま歩き続ければ問題ありません。
紙幣を渡すケース
最初に荷物運びについて説明します。これが最も判断が難しい場面です。Supratoursバスでは荷物を荷物室に運ぶ係が20ディルハムまで求めてくる場合もありますが、5ディルハムが相場です。CTMのみ、公式に手数料を取り領収証も発行します。自分の足元に置く荷物にチップは不要です。
公共ハマムは安めで、スクラブサービスのみが有料です。町のローカルハマムなら入場料が10〜15ディルハム、スクラブは30〜50程度で、石鹸やタオルは持参。観光向けハマムは150ディルハムからでサービス料込みですので、チップは少額または不要です。スクラブとリンスを担当するスタッフが対象です。
次はメディナです。案内料は少額で、マナーが肝心です。本当に迷ってタクシー通りまで案内してもらったら、20ディルハムが上限で、これは事前に交渉・同意し手持ちのコインで支払います。ホテルのハウスキーパーは洗濯袋を50〜100ディルハムで洗ってくれ、価格をたずねると「任せます」と返されることもありますが、これは金額提示の機会として受け取るのがおすすめです。魚市場では買った魚の下処理が1、2ディルハムで済みます。
無料ではないオファー
モロッコでもっとも高くつくのは「無料」と案内されるものです。たとえば広場で無料と言われるヘナは、実際には後で代金を請求されることがあり、しかも地元の10倍を求められる場合もあります。デザインが濃いほど、本来は肌につけたくない成分が混ぜられていることも。ヘビとの記念撮影は20ディルハム程度で、写真が必要ならその価格で十分です。ジャマエルフナ広場の屋台では、注文していない付け合わせがテーブルに出てきて、それぞれ5ディルハム加算されることもあります。
もうひとつは「道案内系」です。通りが閉まっていると声をかけてきたり、職人の来訪頻度を説明したり、身分証を首から下げた人物がガイドだと付きまとうケース。これらはどれもサービスではなく、支払い義務はありません。「ラ・ショクラン(結構です)」を一言伝え、立ち去れば済みます。
小銭がすべての基本
流通している硬貨は0.5、1、2、5、10ディルハム、紙幣は20、50、100、200ですが、20未満の紙幣は実際ほとんど手に入りません。ほとんどの人が釣り銭を持ち合わせていません。タクシー運転手も、カフェも、ホテルのフロントでさえ観光税の支払時に釣り銭が不足する場合があります。大きな紙幣は早めに崩し、小銭や20ディルハム札を常に携帯しましょう。7ディルハムの運賃に100ディルハム札を出すのは避けてください。
レストランやホテル以外ではカード利用がほぼできません。タクシー、市場、チップ、観光税の支払いはすべて現金が基本で、ATMでの引き出しは自分の銀行手数料とは別に、モロッコの多くの銀行で約30ディルハムかかります。Al Barid銀行のみ、2024年3月時点では追加手数料がかかっていませんでした。
朝ホテルを出る前の準備
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モロッコでお金周りが上手くいくかは、気前の良さより「どの金額が交渉対象で、どれはそうでないか」を知るかどうかです。タクシーのメーターも、タジンの価格も交渉できません。ポーターやハマム係への微小紙幣は心遣いとしてだけで、義務ではありません。それ以外の支払いは会話次第ですが、小銭を用意しておけば難しくありません。




