ロベン島はテーブル湾の北側、ブロウバーグストランドからおよそ7キロ沖合に浮かぶ、面積約5平方キロメートルの平坦な楕円形の島です。標高数メートルと低く、灯台が唯一の目印になるほどで、数百年にわたり本土から遠ざけておきたい人を収容する場として利用されてきました。
島として最も知られているのは、アパルトヘイト政策に反対した人々を収監した刑務所としての歴史で、1996年までその役割を担いました。ネルソン・マンデラはこの島で27年のうち18年を石切り場作業をしながら過ごし、後の大統領となる人物たちもまた収監されました。現在は博物館、自然保護区として国内でも訪問者の多い場所となっています。
- 本土(ブロウバーグストランド)からの距離
- 6.9 km
- 島の面積
- 5 km²
- マンデラがここで過ごした刑期
- 18年
- ツアー全体の所要時間
- 3.5時間
ツアーとその流れ
ツアーはケープタウンV&Aウォーターフロントのネルソン・マンデラ・ゲートウェイを出発し、1日3回催行、全行程で約3時間半かかります。フェリーの移動自体も体験の一部であり、湾内は荒れることも多く、寒く、また風が強い日は運休となります。そのため、事前の運航状況確認が勧められ、計画をこの体験一つに絞らないよう注意が必要です。
島内見学は2部構成です。まずバスで移動し、ハンセン病患者の墓地やかつての隔離施設、受刑者が作業した石灰採掘場、ロバート・ソブクウェの家、青石の採石場、第二次大戦時の軍事施設などを巡ります。そして後半では、実際に収監されていた元受刑者のガイドによる最大警備刑務所内の徒歩見学となり、最後はネルソン・マンデラの独房で終わります。独房は小さく質素で、飾り気のないまま現在も残されています。

ガイドが語る意味
ロベン島が他の監獄博物館と異なる点は、説明してくれる方自身が実際に収監されていた元受刑者であることです。採石場での労働や食事、手紙、日々の交渉ごとなども実体験に基づいて淡々と語られるため、展示パネルの説明以上に強い印象を残します。
このため、軽い気持ちで訪れる場所ではありません。フェリーから降りた後、多くの方が静かな気持ちになるため、見学後はウォーターフロント周辺を散歩する、コーヒーを飲むなどして、すぐ次の観光予定を組まず、落ち着ける時間の確保をおすすめします。
フェリーと湾の風景
フェリーは好天時で片道約30分かかり、移動自体が見学体験の一部です。テーブル湾は遭難事故も多い作業港で、それが灯台設置の理由にもなっています。天候が荒れる時には無理に運航されることはなく、博物館側が即座に中止を判断します。
天候が穏やかな日は、湾からの景色も大きな魅力です。ウォーターフロントを出発すると、背後には街と山、前方には水平線上にわずかに見えるロベン島が徐々に大きくなり、灯台や刑務所の建物が岸沿いに並ぶ平坦な島の姿が近づいてきます。帰路は、刑務所の収監者たちがごく稀に本土を眺めることを許された際に見ていたのと同じ、テーブルマウンテンが大きく視界に広がる景色が広がります。
島名のとおり、周辺にはアザラシのコロニーがあり、またアフリカペンギンが古い壁や廃墟に巣を作り、ウやアジサシなども岩場に群れます。島は博物館と並行して自然保護区として維持され、保護スタッフも島内で生活しています。
島のもう一つの顔
ロベン島はアパルトヘイト以前にも、ハンセン病患者の隔離地、捕鯨基地、防衛拠点、灯台のある場所として利用されてきました。その名前はオランダ語のアザラシ由来で、現在は大きなアフリカペンギンの群れや多数の海鳥、アザラシの生息地でもあります。博物館と自然保護区が並行して運営されているのも特徴です。
フェリーの船旅そのものも見どころの一つです。市街地を背にテーブルマウンテンが湾の向こうに大きく広がる景色は、帰港時に思いがけず出会うケープタウンの絶景です。
一つの島、多様な歴史
17世紀
はじまりから監獄だった島
島名は古オランダ語のアザラシに由来し、17世紀後半から要塞化されて収容施設として使われてきました。平坦で小さく、本土から6キロも離れているため、政治犯に限らず早くから天然の監獄として利用されていました。
19世紀
隔離地・灯台の建設
この時代にはハンセン病患者等の隔離地としても利用され、その墓地はツアーの訪問地の一つです。テーブル湾への進入路の危険を避けるために灯台も建設されました。
20世紀
アパルトヘイト時代の監獄
1960年代以降、島は政治犯の監獄となり、ネルソン・マンデラも27年のうち18年を収監され、石灰採掘作業に従事しました。のちの大統領カレマ・モトランテやジェイコブ・ズマも同じく収監されており、それは偶然ではありません。
1996年
刑務所の閉鎖
1996年、初の民主的選挙から2年後に刑務所は閉鎖されました。最大警備棟や採石場、村の施設はそのまま残され、見た目よりも歴史的意義が評価されて世界遺産登録されています。
現在
博物館とフェリー
現在は1日3回、ウォーターフロントからツアーが出発し、刑務所パートを含む多くのガイドが元収監者によって行われています。博物館であり自然保護区でもあり、ペンギンや海鳥、アザラシの群れが生息し、フェリーからのケープタウンの景観も楽しめます。
予約・持ち物の注意点
早めに公式サイトからの直接予約をおすすめします。できるだけ早い便を選ぶとよいでしょう。午後便は風が強くなり欠航が多くなるためです。夏でも風を防げる上着、水、日焼け止めを用意し、約3時間半の行程中はほとんど立ったりバスに座ったり、石の道を歩くことになります。
万一欠航となった場合には、博物館側で返金もしくは予約振替対応が可能です。無理に他の予定を変更するより、空いた次の枠への参加を柔軟に受け入れるのが現実的です。ケープタウンで歴史的スポットへ1ヶ所だけ行くなら、この島がおすすめです。本土のどの建物よりも、国・都市・政治のありのままを伝えてくれるからです。
ウォーターフロント到着前の確認事項
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ロベン島は、フェリーで渡り、バスで巡り、刑務所内を歩く3時間半の体験です。航空券を予約するタイミングで島のツアー予約もし、当日は午前中を空けて、午後もゆとりを持った予定にすることをおすすめします。




