データローミングは、ご利用中のモバイルネットワーク圏外に出たとき、現地のネットワークに接続し、契約中のネットワークがその通信料を請求する仕組みです。その料金は渡航先によって異なり、EU域内でローミング無料となる規則も、モロッコ・エジプト・南アフリカなどでは適用されません。
データローミングの意味
Appleによれば、データローミングは「自身のネットワークが圏外になった際に、他のネットワーク経由でインターネットを利用すること」です。カサブランカ、カイロ、ケープタウンに到着すると、現地のネットワークに登録され、利用した分が契約中のネットワークのローミング料金で計算されます。
データローミングは、回線ごとに個別で切り替えられます。オフにすると、その回線では海外でデータ通信できませんが、通話やSMSは引き続き受信可能であり、これにもローミング料金が発生する場合があります。
リージョナルプランの旅行用eSIMも同様にローミング通信となります。エジプトや南アフリカのプランでは、現地の提携ネットワークで接続するため、その回線のみデータローミングをオンにしてください。プリペイド型なので、高額な追加料金は発生しません。
ローム・ライク・アット・ホームがEU以外で使えない理由
2017年6月15日以降、EUでは「ローム・ライク・アット・ホーム」規則により、他のEU加盟国内で追加料金なく契約プランが利用できます。対象はEU 27か国に加え、アイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェー、2026年1月1日以降はウクライナ・モルドバも加わっています。
これ以外の国は対象外です。欧州委員会のQ&Aでも「EUおよび欧州経済領域以外は含まれない」と明記されており、一部通信会社が対象範囲を独自に広げている場合もありますが、モロッコ・エジプト・南アフリカは含まれていません。つまり料金は、ご契約の通信会社が自由に決定します。表で掲載されている英系ネットワークなどの多くは、これらの国を別料金で設定しています。一部フランスFreeのFree Maxプランなど、モロッコでデータ通信込みのものもあります。
EU域外へ行く場合、欧州委員会は「必ず渡航前に自身のネットワークでローミング料金を確認する」よう注意喚起しています。イギリスはEU離脱に伴いこの規則から外れており、EU内であっても独自料金が設定されていることがあります(例:EEは、2021年7月7日以降の新規プランではEU圏でも1日£2.72を請求)。
- 2026年時点 EUローム・ライク・アット・ホーム対象国数
- 32
- EE・Vodafone・Three(最近のプラン)でのモロッコ・エジプト1日あたり
- £8
- Verizon TravelPass・AT&T International Day Passの1日あたり
- $12
- スペインMovistar(パスなし)の1MBあたり
- €12.10
モロッコ・エジプト・南アフリカでの英国ネットワークの料金
EE、O2、Vodafone、Threeはいずれも、3カ国のうち2カ国以上で使える1日定額を設定しています。料金は、2026年9月25日時点で各通信会社の公式ページで確認しました。
- EEは、南アフリカをRest of World Zone 1(1日£6.00)、モロッコとエジプトをZone 2(1日£8.00)に設定しています。2026年9月3日付けの料金表では、ヨーロッパ以外でのデータ通信はパス購入後に利用可能とされています。
- O2 Travelは、ヨーロッパ以外75カ国で1日£7(エジプト・南アフリカ対象、モロッコは対象外)。モロッコではデータボルトオンのみ販売されており、100 MBで£26、500 MBで£45、1 GBで£65です。
- Vodafoneは、南アフリカをZone C、モロッコとエジプトをZone Dに区分。2021年8月11日以降開始のプランでは両ゾーンとも1日£8、古いプランは£6です。
- Threeは、3カ国とも「Go Roam Around the World Extra」の対象。2025年12月18日以降開始・アップグレードプランは1日£8、2021年10月1日から2025年12月17日までは1日£7となります。
EE・Threeは24時間ごとの課金です。O2は通話・SMS送信・データ通信のいずれかを行った時点から1日が始まり、受信のみでは開始されません。
EU・米国ネットワークの料金
EUおよび米国ネットワークの同三国での料金も、各社ページ上(2026年9月25日確認時点)で異なります。
| ネットワーク | モロッコ・エジプト・南アフリカでの料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Verizon(米国) | 1日$12 | TravelPass、3国すべて対象 |
| AT&T(米国) | 1日$12(同日2回線目以降は$6) | International Day Pass(無制限プラン) |
| Vodafone(ドイツ) | 1日€9.99 | ReisePaket World Tag:1日500 MB+50分+SMS50通 |
| Orange(フランス) | 3日間€9.99 | Pass Voyageシリーズの3日用インターネットパス |
| Movistar(スペイン) | 1MBあたり€12.10 | 標準料金(米国・スイス・アンドラは1日定額あり) |
細かい点ですが、Vodafone Germanyは一部プランで「現地利用時に自動で1日パックが有効化」される旨を説明しており、Movistarの標準レートでは100 MBで€1,210となっています。
ローミング料金が思わぬ高額になる要因
ローミング利用料金は、意図せず発生する場合があります。AT&Tは最初にデータ通信・SMS利用・発着信のいずれかを行うと自動で1日パスが開始され、O2 Travelも同様です。データローミングをオンにしたままのスマートフォンは、アプリの自動更新などで自身も気づかないうちにデータ通信を開始し、1日料金のカウントが始まる場合があります(Movistarも注意喚起しています)。
もう一つのリスクがMB単価で課される従量課金です。EU圏外では、Movistarが上記表の通りMB単価で請求します。
また、船や飛行機での接続も注意が必要です。航海中や機内では衛星ネットワークに繋がることがあり、欧州委員会も「EU価格上限の対象外で、通常高額」と警告しています。EEの24時間Aircraft Passは10 MBで£16、Movistarの海上利用は1MBあたり€36.30です。EUも船や飛行機内ではローミングオフ、または機内モードの活用を推奨しています。

一部のネットワークは自動制限を設けています。O2はヨーロッパ以外ではボルトオン未購入の場合、利用自体がロックされ請求が発生しません。EEもパスがないとデータ通信は不可。Threeは利用額制限(spend cap)を低く設定するとローミング自体が停止する場合があると説明しています。出発前に、ご自身の契約プランでどの仕組みが適用されるかご確認ください。
データローミングはオフにした方がいいか
通常使う回線は、旅行用パスや1日定額を利用しない場合はデータローミングをオフにしてください。これで海外でのデータ通信を防げます。iPhoneでは「設定」>「モバイル通信」>「通信のオプション」からデータローミングの切り替えができます(Apple公式ガイド)。Pixelでは「設定」>「ネットワークとインターネット」>「SIM」>ローミングで切り替えます(Google公式ガイド)。デュアルSIM端末では各回線ごとに設定が必要です。
旅行用eSIMの場合は、その回線のみルールが異なります。エジプトや南アフリカのリージョナルプランではeSIM回線だけデータローミングをオンにし、普段使う回線はオフのままにしてください。モロッコ向け(Orange Maroc回線)は通常ローミング不要ですが、データ通信が始まらない場合はeSIMでローミングをオンにします。現地到着後のeSIM設定方法や必要なデータ通信量の目安もご参照ください。
出発前の確認リスト
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この3カ国向けのプランや料金はモロッコ・エジプト・南アフリカの各ページでご案内しています。ローミング対応eSIMと現地型プランの違いはリージョナルeSIM解説ガイドで説明しています。






